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そのヘナは本物?薄毛を招くケミカルヘナの罠
「髪に優しい」「天然成分」というイメージから、薄毛対策としてヘナを選ぶ人が増えています。しかし、市場に出回っているヘナ製品の中には、そのイメージとはかけ離れた、化学物質を含む「ケミカルヘナ」が紛れ込んでいることをご存知でしょうか。良かれと思って使ったヘナが、実は頭皮にダメージを与え、かえって薄毛を悪化させる原因になってしまう。そんな悲劇を避けるために、本物のヘナと偽物を見分ける知識は、自分の髪を守るための必須のスキルと言えます。そもそも、100%天然のヘナ(植物のヘンナの葉を乾燥させて粉にしたもの)で染まる色は、オレンジ系の色のみです。白髪はオレンジブラウンに、黒髪は光に当たるとほんのり赤みが感じられる程度に染まります。では、なぜ「ブラックヘナ」や「ブラウンヘナ」といった、様々な色のヘナが存在するのでしょうか。その多くは、天然のヘナに、インディゴ(藍)などの他のハーブを混ぜることで色を調整しています。ここまでは、まだ天然の範囲内です。問題は、短時間で、より濃く、暗い色に染めるために、化学染料を不正に添加している製品の存在です。特に注意すべきなのが、「ジアミン(パラフェニレンジアミンなど)」という化学染料です。ジアミンは、一般的なヘアカラーにも使われる成分ですが、アレルギー反応を引き起こすリスクが高いことで知られています。頭皮がかぶれたり、ただれたりする深刻なアレルギー症状を引き起こすことがあり、一度発症すると、二度とジアミン系の染料は使えなくなってしまいます。頭皮に炎症が起これば、当然、健康な髪の成長は妨げられ、抜け毛や薄毛に直結します。ケミカルヘナを見分けるためのポイントはいくつかあります。まず、「染め時間が異常に短い(30分程度で真っ黒に染まるなど)」製品は、化学染料の混入を疑うべきです。また、「豊富なカラーバリエーション」を謳っている製品も要注意です。最も確実なのは、製品の「全成分表示」を確認することです。「ヘンナ」や「ナンバンアイ葉(インディゴ)」以外の、見慣れないカタカナの化学物質名が記載されていたら、それはケミカルヘナの可能性が高いでしょう。安さや手軽さに惑わされず、信頼できるメーカーやサロンから、成分が明確な本物のヘナを選ぶこと。それが、健やかな頭皮と髪への第一歩です。