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風邪をひいた日にミノキシジルを服用したリアルな選択
WEBデザイナーの佐藤さん(38歳)は、ミノキシジルとフィナステリドの内服治療を始めてちょうど一年。気にしていた頭頂部のボリュームも戻り、治療の効果に満足していた。そんなある日の朝、喉に強烈な違和感を覚えて目が覚めた。体温を測ると37.8度。明らかに風邪の症状だった。デスクには、山積みの仕事。休むわけにはいかない。「とりあえず、市販の風邪薬を飲んで乗り切ろう」。そう思い、家の救急箱を開けた佐藤さんの手が、ふと止まった。薬のパッケージの裏に書かれた「相談すること」の文字。その中に、「血圧の薬を服用している人」という項目が目に入ったのだ。「ミノキシジルも、もとは血圧の薬だよな…。これ、飲んでも大丈夫なのか?」。急に不安がこみ上げてきた。スマートフォンの検索窓に「ミノキシジル 風邪薬 飲み合わせ」と打ち込む。すると、「大丈夫」というサイトもあれば、「注意が必要」と書かれたブログもあり、情報は錯綜していた。素人判断で飲むのは怖い。でも、クリニックに電話するのも、こんなことで迷惑じゃないだろうか。数分間葛藤した末、佐藤さんはミノキシジルを処方してもらっているクリニックに電話をかけた。「あの、風邪をひいてしまったんですが、市販の薬を飲んでも平気でしょうか?」。電話口の看護師は、慣れた様子で優しく答えてくれた。「佐藤さん、ご心配ですよね。基本的には大きな問題になることは少ないですが、成分にもよりますので、念のため薬局の薬剤師さんにご相談いただくのが一番確実ですよ」。その一言で、佐藤さんの心は軽くなった。彼は、お薬手帳を持って近所のドラッグストアへ向かった。そして、薬剤師に手帳を見せ、「今、このミノキシジルという薬を飲んでいて…」と事情を説明した。薬剤師は、手帳と風邪薬の成分表をじっくりと見比べ、「でしたら、こちらの血管に作用する成分が入っていない、喉の痛みに効くタイプが良いでしょう」と、最適な薬を選んでくれた。遠回りに見えても、専門家に聞くのが一番の近道だ。佐藤さんは、薬と共に大きな安心感を手に入れ、家路についた。