「更年期」という言葉が現実味を帯びてきた四十代半ば、私の体には二つの大きな変化が訪れました。一つは、今までと同じ食事をしているはずなのに体重が増え続け、特にお腹周りに取れない脂肪がついたこと。いわゆる中年太りです。そしてもう一つは、分け目が目立つようになり、髪全体のボリュームが失われてしまったことでした。若い頃は太くて多い髪が自慢だったのに、シャンプーのたびに手に絡みつく大量の抜け毛を見ては、風呂場で一人泣きたくなるような不安に襲われました。太ってしまった自分と、薄くなった自分。鏡を見るのがこれほど辛いことはありませんでした。婦人科を受診して分かったのは、これらすべての原因が女性ホルモン(エストロゲン)の減少によるものだということでした。エストロゲンには内臓脂肪の蓄積を防ぐ働きと、髪の成長期を維持して抜け毛を防ぐ働きがあります。この守護神のようなホルモンが減ったことで、私の体は肥満と薄毛のダブルパンチを受けていたのです。さらに医師からは、脂肪細胞が増えることでホルモンバランスがさらに乱れ、微量ながら女性の体内にも存在する男性ホルモンの影響が相対的に強くなっている可能性も指摘されました。肥満が薄毛を加速させるという負のスパイラルに、私は知らず知らずのうちに陥っていたのです。ショックを受けましたが、原因が分かれば対処法もあるはずだと前を向きました。私が取り組んだのは、エストロゲンに似た働きをする大豆イソフラボンの積極的な摂取と、乱れた自律神経を整えるための生活改善です。食事では納豆や豆腐を毎日欠かさず食べ、脂肪燃焼を助けるためにタンパク質中心のメニューに切り替えました。また、ストレスがホルモンバランスをさらに悪化させるため、夜はスマホを見ずにゆっくり入浴し、アロマを焚いてリラックスする時間を強制的に作りました。運動も、無理な筋トレではなく、ヨガやピラティスを取り入れ、骨盤周りの血流を良くすることを意識しました。半年ほど続けていくと、まず体重の増加が止まり、少しずつ体が軽くなっていくのを感じました。そして一年が経つ頃には、ペタンとしていた頭頂部に、短いけれどもしっかりとした新しい髪が生えてきているのを発見しました。美容師さんからも「頭皮の色が健康的な青白さになりましたね」と言われ、努力が報われた喜びで胸がいっぱいになりました。中年太りと薄毛は、年齢による不可抗力だと諦めてしまいがちですが、生活習慣とホルモンケアで十分に抗うことができます。体重をコントロールし、体を内側から整えることは、失われた自信を取り戻す旅でもありました。今、同じ悩みを抱えている同世代の女性たちに伝えたいのは、自分の体を大切にケアすれば、必ず応えてくれるということです。年齢を重ねることを恐れず、今の自分に合った美しさを追求していきましょう。
中年太りと共に髪が薄くなった女性がホルモンバランスを整えるまで