ある日突然、シャンプーをしている時や髪をとかしている時に、ごそっと髪が抜ける。その瞬間の恐怖と絶望感は、経験した人にしか分からない強烈なものです。「このまま全部なくなってしまうのではないか」「何かの病気ではないか」という不安が頭を支配し、鏡を見るのさえ怖くなってしまう。髪の毛が抜けるという現象は、単なる外見の変化以上に、私たちの心に深い傷を残します。しかし、恐怖に飲み込まれてストレスを抱え込むことは、血管を収縮させ、さらなる抜け毛を招くという悪循環を生んでしまいます。まずは深呼吸をして、心のパニックを鎮めることから始めましょう。メンタルケアの第一歩は、「髪は必ず生え変わるものである」という事実を再認識することです。人間の髪にはヘアサイクルがあり、毎日数十本から百本は自然に抜けています。季節の変わり目や体調によっては、一時的にその数が増えることもありますが、それは体が調整を行っている証拠でもあります。また、抜け毛の原因がストレスや生活習慣、あるいは一時的なホルモンバランスの乱れである場合、それらが解消されれば髪は再び生えてきます。円形脱毛症などの病的な脱毛であっても、適切な治療を行えば回復するケースがほとんどです。「永遠に失われるわけではない」と言い聞かせることで、心の重荷を少し降ろすことができます。次に大切なのは、一人で悩まないことです。家族や友人に話すのが難しければ、専門医やカウンセラーに相談するのも良いでしょう。専門家はあなたの髪の状態を客観的に診断し、具体的な解決策を提示してくれます。原因が分からず怯えている状態が一番のストレス源ですから、「正体を知る」ことが安心材料になります。そして、髪のことばかり考える時間を減らす工夫をしましょう。没頭できる趣味や運動を取り入れ、物理的に思考を切り替えるのです。髪が抜けることは辛いですが、それがあなたの価値のすべてではありません。今は心を休め、体をいたわる充電期間だと捉えて、自分自身に優しく接してあげてください。心が元気になれば、体も回復の準備を整え始めます。