プロペシアの服用を習慣にしていても、忙しい毎日の中ではうっかり飲み忘れてしまうこともあるでしょう。そんな時、焦って不適切な対応をしてしまうと、かえって体に負担をかけたり、治療のバランスを崩したりする原因になりかねません。まず大切なのは、飲み忘れに気づいても決して慌てないことです。そして、絶対にやってはいけないのが、前日分と合わせて二錠を一度に服用することです。過剰摂取は副作用のリスクを高めるだけで、治療効果を高めることには繋がりません。では、具体的にどう対処すれば良いのでしょうか。基本的には、飲み忘れに気づいた時点が、本来の服用時間からそれほど離れていない場合、例えば数時間程度の遅れであれば、気づいた時点ですぐに一錠を服用してください。そして、翌日からはまたいつもの決まった時間に戻します。一方で、気づいたのが翌日の服用時間に近くなっていた場合は、忘れた分はそのままスキップし、いつも通りにその日の分として一錠だけを服用するのが正しい対処法です。一日飲み忘れたからといって、これまでの治療効果が全て失われるわけではありません。有効成分の血中濃度は緩やかに下がっていきますが、一日程度の空白であれば、治療に致命的な影響を与えることは稀です。最も重要なのは、飲み忘れを過度に気に病むことなく、翌日からまた規則正しい服用サイクルに戻すことです。飲み忘れが頻繁に起こるようであれば、スマートフォンのリマインダー機能を活用したり、ピルケースを目立つ場所に置いたりするなど、忘れないための工夫を見直してみることをお勧めします。