朝、目覚めた瞬間に枕元に散らばる抜け毛を見て、心臓が止まるような思いをしたことはありませんか。「こんなに抜けてしまっては、すぐになくなってしまうのではないか」。そんな恐怖に駆られる人は少なくありません。しかし、落ち着いてください。人間は寝ている間にも寝返りを打ち、枕と髪の摩擦によって自然と髪が抜けるものです。では、具体的に何本くらいまでなら「セーフ」なのでしょうか。一般的に、健康な人の一日の抜け毛総数は五十本から百本程度と言われています。そのうち、睡眠中に抜ける髪の割合は、睡眠時間にもよりますが、全体の二割から三割程度と考えられています。つまり、起床時に枕元に十本から二十本程度の抜け毛があることは、生理現象としてごく普通のことなのです。問題なのは、その数が急激に増えた場合や、五十本以上など明らかに多い場合です。これは、ヘアサイクルに異常が生じているか、あるいは寝具環境が悪く、物理的な摩擦で髪が引き抜かれている可能性があります。枕カバーの素材が粗かったり、枕の高さが合っていなかったりすると、必要以上の負荷が髪にかかります。シルクなどの滑らかな素材に変えるだけでも、摩擦による切れ毛や抜け毛を減らすことができます。また、ここでも重要なのは本数だけでなく「毛の状態」です。枕元の抜け毛を拾って観察してみてください。もし、抜けた毛の毛根が白く丸く膨らんでいれば、それは寿命を全うした自然脱毛ですので心配ありません。しかし、毛根がなかったり、ちぎれたような断面をしていたりする場合は、摩擦による「切れ毛」の可能性が高いです。さらに、毛根が細く尖っている細い毛が多い場合は、AGAなどの進行による異常脱毛の疑いがあります。枕元の抜け毛は、無意識のうちに起きている現象だからこそ、あなたの髪の健康状態を素直に反映しています。毎朝のルーティンとして、恐怖心を持つのではなく冷静な目でチェックを行い、変化があればすぐに対策を講じるためのバロメーターとして活用しましょう。